2017年8月14日月曜日

決算発表


みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。9日(水)の16時に17/6月期の決算及び18/6月期の業績予想を発表しました。

17/6月期の業績については、売上高は過去最高となりました。PDPSを非独占的にライセンス許諾する契約について新規契約が2件(米ジェネンテック社、塩野義製薬)得られたことによる契約一時金、技術移行の達成が2件(米ジェネンテック社、米リリー社)となったことによるマイルストーン収入が主因です。利益については、営業利益は研究開発部門で優秀な人材の積極採用を進めたことによる人件費増が主因でわずかながら減益となりましたが、経常利益、当期純利益はいずれも前年比2ケタ増となり、過去最高を更新しました。

過去最高といっても、上場以来の伸び率からみると伸びが鈍化しているようにみえるかもしれません。しかし、これは東京大学駒場リサーチキャンパスでの研究スペースが限られていたことが事業拡大の制約となっていたことが要因として挙げられます。これについては17年7月に川崎市殿町に新本社・研究所が完成し、研究スペースが大幅に拡大したことから再び高い伸びが見込めると予想しています。

18/6月期の業績予想については、「売上高70億円以上、営業利益29億円以上、経常利益31億円以上、当期純利益21億円以上」としました。17/6月期と比べて2ケタの増収増益で過去最高予想です。

昨年は、期初に業績予想数字の開示を行いませんでした。その根拠を「当社の経営・業績目標は複数の会計年度にわたるものが多く、単年度の業績数値として予測することは著しく困難であります。そのため、業績予想の数値を公表することを差し控えることといたしました」と説明しました。その状況に変化はありませんが、日本の上場バイオ企業で一番高い時価総額の評価をいただいている企業として、またこの1年間の国内外でのIR活動を通じて得た開示に関する要望を考慮し、現時点で投資家・アナリストのみなさんに提供できる業績予想数字について社内で活発な議論を行い、今回の“〇〇億円以上”という表現を用いて開示することを今期の方針として決めました。

通期の業績予想数字を開示する一方で、昨年実施した7項目の目標(マニフェストと呼んでいます)を掲げることに関しては、今期は行わないことにしました。7項目の中に臨床開発候補化合物の認可や臨床試験の開始等、当社ではコントロールできないものが入っており、単年度での目標設定に適さないと判断しました。

中期(5年間)の見通しについては、改めて開示内容を精査し、開示を継続しております。【中期の目標】は昨年の6項目に対し、今期は「PDC(ペプチド-薬物複合体)プロジェクト数」の項目が消えて5項目となっています。これはPDCプロジェクトの進捗に自信がなくなったのではなく、逆に特殊ペプチドをPDCとして用いるプロジェクトが我々の想定以上に様々な分野で広がりを見せていることから、PDCプロジェクトの定義を改めて行い、説明することが必要と考えたからです。8月23日(水)開催予定の決算説明会でPDCに関して詳しく説明する計画にしています。

2017年8月8日火曜日

記者会見

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。昨日、7日の14時から塩野義製薬、積水化学工業及び当社の3社合弁による特殊ペプチド原薬の製造受託会社(CMO)設立に関する記者会見を川崎市殿町の新本社・研究所で行いました。新会社の社名はペプチスター株式会社です。

テレビ会社を含む30名を上回るマスコミのみなさまに参加していただきました。100名近い人員が収容できる当社のホールの“こけらおとし”となりました。

まずペプチスターの社長に就任予定の当社の窪田から「特殊ペプチドCMO創立について」と題して約15分間、全体的な話をさせていただきました。次に塩野義製薬の手代木社長から「ペプチスター株式会社設立におけるシオノギの役割」と題してのプレゼン、3番目に積水化学工業の取締役 専務執行役員で高機能プラスチックスカンパニープレジデントの加藤氏が「積水化学における特殊ペプチド原薬事業の位置づけ」と題してのプレゼンを行いました。

3社の新会社における役割を簡単に紹介しましょう。

当社の役割は、これまで蓄積してきた特殊ペプチドの合成ノウハウを提供しつつ、技術開発及び技術融合の分野でリーダーシップをとることです。

塩野義製薬の役割は、薬事法、GMP及びその他法令に則った医薬品の製造に関する知見を有する製薬企業としてそのノウハウを提供することで、高品質な医薬品の製造に貢献することです。また、革新的ペプチド医薬品を創製し、特殊ペプチドの価値を世界的に証明する役割も担っています。

手代木社長はプレゼンの中で、当社と実施中の4つのターゲットに対する共同研究に関して、低分子アプローチで攻略が困難だった創薬ターゲットについて、短期間で高活性ペプチドの取得に成功したプロジェクトが出ていること、塩野義製薬の研究員が「これはすごい」と評価しているという話を紹介していただきました。

積水化学工業の役割は、生産性の高いペプチド合成技術での貢献です。積水メディカルで開発中のペプチド合成法「STag(エスタグ)法」は、現在のペプチド合成法の主流である固相合成法と異なり、溶解性の高いタグを使用した独自の液相合成法です。このSTag法を新会社の中でさらに発展させて、固相合成法と比べて安価、高純度、高品質なペプチド合成法を確立し、生産性の高いペプチド原薬の製造に貢献することを目指します。

3社のプレゼンの後に質疑応答の時間を取りましたが、質問が途切れず入り、予定時間を大きく超えることになりました。マスコミのみなさまが関心を持っていただけた結果だと思います。

東京では当日の夜23時からテレビ東京のワールドビジネスサテライトで会見の状況が
約50秒枠で放送されました。また参加したマスコミの多くが本日8日に写真付きの記事にして紹介してくれました。

長くなりましたので、ペプチスターの意義については改めて紹介させていただきます。

2017年8月2日水曜日

キングスカイフロント

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社が本社・研究所を構えた川崎市殿町のキングスカイフロントで本日、主に小学生を対象に、科学の楽しさを身近に実体験する「夏の科学イベント2017」が開催されました。当社は出展しなかったのですが、数名がスタッフとして参加しました。

13時スタートで、整理券の配布は11時50分からでしたが、親子連れの長蛇の列となっていました。主催者に聞いたところ、本日の参加者は約1,200名、昨年が約900名なので大幅に増えたということです。

私はジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)株式会社の広報の方にお願いして、小学生高学年から中学生までを対象にした「東京サイエンスセンター3周年記念 ブラック・ジャック セミナー」を最初だけ見学させていただきました。J&J社の東京サイエンスセンターは、普段は現役の医師が内視鏡手術等のトレーニングを行っている施設です。白衣(黄色ですが)にキャップ、マスク、手袋を身に着けてドクター気分となった子供たちが目を輝かせて複数の手術体験を行いました。

J&J社の社会貢献活動はさすがですね。ちなみに米国ジョンソン・エンド・ジョンソンはヘルスケア会社としては世界で最も時価総額(企業価値と言っていいと思います)が高い会社で、なんと約40兆円となっています。日本企業のトップが武田薬品工業で約4兆6,000億円ですから評価の高さはケタ違いです。当社は今年の4月にこの米国ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬部門である米国ヤンセンファーマ社との間で、創薬共同研究開発契約を締結しています。

来年は我々も出展し、社会貢献活動を行いたいと考えています。

2017年7月28日金曜日

竣工式

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。本日7月28日は大安であり、当社の本社・研究所新築工事 竣工式を行いました。社長の窪田、常務のリックさんをはじめ、東京大学の菅教授を含めて役員が参列しました。


10時から神事が始まり、約30分間で終了しました。熱中症対策もあり、本社・研究所の3階で行いました。斎主は地元の若宮八幡宮から来ていただきました。とても厳かな式祭でした。
※玉串拝礼の写真を掲載しました。







昨年の4月に始まった工事は無事、無災害で工期通りに終了、建物は当社のイメージ通りに完成し、設計施工者の株式会社 竹中工務店より引き渡しを受けました。現在、東京大学駒場リサーチキャンパスからの引っ越しを進めており、8月から稼働予定です。


立派な施設ができましたので、これに見合った成果をあげるよう役員・社員ともに決意をあらたにしています。
※参列者の全体写真を掲載しました。


2017年7月21日金曜日

クリオとの戦略的共同研究開発契約について

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。今回は7月18日に発表したKleo Pharmaceuticals(以下 クリオ)との新規がん免疫治療薬に係る戦略的共同研究開発契約を締結したというニュースを解説します。


今回の提携は、PDC医薬品の開発パイプラインの拡充を図ることが目的です。


当社は独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPSから見出された特殊環状ペプチドを用いて「特殊ペプチド医薬品」の他に「低分子医薬品」や「ペプチド-薬物複合体(PDC)医薬品」の研究開発も進めています。


PDC医薬品とは、特殊環状ペプチドの高い特異性と強い結合力という特性を、標的細胞の特定の箇所へ薬物を届ける運び屋として使用するものです。バイク宅急便のイメージです。今回お届けする薬物はがん免疫治療薬です。がん免疫治療とは、がん細胞を免疫の働きを活用して治療することです。


人間の体は、病原体やがん細胞等の敵の侵入・発生を監視し、攻撃・排除する「免疫機構」の働きで守られています。中心的な役割を担うものが、免疫細胞であるB細胞が産生する「抗体」と呼ばれる生体内物質(タンパク質)です。Yの字の形をしており、標的であるがん細胞と結合するYの字の上の部分をFab領域といい、下の部分をFc領域といいます。


抗体を医薬品として用いる「抗体医薬」のがん細胞に対する主要な攻撃パターンは2つあります。1つ目が結合阻害です。抗体が、がん細胞の表面にある受容体(レセプター)に結合することで、がん細胞の生存・増殖に必要な情報(シグナル)を遮断してしまう戦法です。


2つ目は、ADCC(抗体依存性細胞障害)と呼ばれる戦法です。がん細胞の目印(がん抗原)と結合した抗体は、NK(ナチュラルキラー)細胞等の免疫細胞の援軍の動員を呼びかけます。駆け付けたNK細胞等が抗体のFc領域と結合すると活性化する性質をもっており、パワーアップしたNK細胞等ががん細胞を攻撃するという仕組みです。


今回の提携パートナーであるクリオは米国の名門イエール大学のSpiegel(シュピーゲル)教授の研究室から生まれた技術をもとに設立された大学発バイオベンチャーです。クリオは、抗体医薬の2つ目の戦法であるADCCを、抗体医薬よりもはるかに小分子化された免疫治療薬で実現しようとしている会社といえます。


現在、クリオはARM及びSyAMという2種類のがん免疫治療薬プラットフォームを有しています。ARMとSyAMについての説明は今回のニュースリリースにはありませんでした。私がクリオのホームページに載っている説明を読んで理解している内容をここで説明します。


ARM(アームと呼んでいます)は、Antibody Recruiting Moleculeの頭文字をとったもので、抗体を新兵として募る分子と訳すことができます(注・訳は岩田)。小さい分子の片方の末端に標的であるがん細胞と結合する部位があり、もう一方の末端に抗体と結合する部位が付いています。私が考えるARMのがん細胞に対する作用イメージは、がん患者に投与されたARMが、がん細胞と結合し、抗体を呼び寄せ、ARMと結合した抗体がNK細胞等の免疫細胞の援軍の動員を働きかけ、集まった免疫細胞をパワーアップさせがん細胞を攻撃するというものです。


SyAM(シャムと呼んでいます)は、Synthetic Antibody Mimicの頭文字をとったもので、合成抗体模倣物と訳すことができます(注・訳は岩田)。小さい分子の片方の末端に標的であるがん細胞と結合する部位があるのはARMと一緒ですが、もう一方の末端には抗体のFc領域に相当するものが付いています。抗体を介さずにSyAM自体が抗体のような働きをして直接NK細胞等の免疫細胞を呼び寄せ、集まった免疫細胞をパワーアップさせがん細胞を攻撃するという、よりイノベーティブな技術といえると思います。


クリオが開発しているARMとSyAMの標的であるがん細胞と結合する末端部分については、当社の特殊環状ペプチドに切り替えた方が、さらに特異性高く、強固に結合するものができるのではないかと考えられます。今回の戦略的共同研究開発で、それを検証していきます。当社にとっては、特殊環状ペプチドに、新規がん免疫治療薬を結合させたPDC医薬品ということができます。


当社は、特殊環状ペプチドを用いた医薬品が抗体医薬の代替になると言ってきました。これまでは結合阻害タイプの抗体医薬の代替が研究開発の中心でしたが、今回の提携でADCCタイプの抗体医薬の代替についての研究開発も米国の最先端の会社と戦略的に取り組めることになりました。当社にとって意義深い提携ということができるのです。

2017年7月19日水曜日

エコ

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社の新本社・研究所は芸術性と環境(エコ)を兼ね備えた建物となっています。


外壁に帆船の帆のような形をしたルーバーと呼ばれる構造物がついています。これはここを拠点に世界にはばたくというイメージをあらわしたものであるとともに、窓からの日射光を調整し、室内の節電効果を高める働きもあります。


またこの外装ルーバーには酸化チタンが塗膜してあるので、「光触媒」作用により、太陽の光があたると活性酸素を発生させ、表面についた菌や汚れを分解するとともに、高い親水性(水とよくなじむ性質)により、雨が降ると汚れが洗い流されるセルフクリーニング効果が期待されます。

2017年7月12日水曜日

リックさん

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社の常務取締役(研究開発部担当)はPatrick Reidという米国人です。米国人らしい明るい性格で、私は親しみをこめてリックさんと呼んでいます。


2004年に東京大学の分子生物医学の特任助教授として来日した際には、日本語は全くできなかったらしいのですが、現在は私と日本語で会話ができます。


菅教授の話を聞き、当社への入社を決めたそうです(07年1月入社)。海外のビジネス案件も取り仕切っている頼りになる人物です。