2017年9月19日火曜日

マイクロ波化学の工場見学

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。9月15日(金)にマイクロ波化学株式会社(以下 マイクロ波化学)の工場見学(大阪市住之江区)に行ってきました。

当社は17年5月24日にマイクロ波化学と「創薬プロセスの技術革新に向けマイクロ波を用いた特殊ペプチド量産設備の共同開発がスタート」というニュースを発表しています。

マイクロ波化学は、電子レンジにも使用されているマイクロ波技術を用いて、医薬、電子材料、食品、燃料など幅広い分野の「製造プロセス」を変革することで、工場の省エネルギーや新素材開発に取り組んでいる阪大発ベンチャーです。

ちなみに我々が家庭やコンビニでお世話になっている電子レンジは2.45ギガヘルツ(1秒間に24億5000万回プラスとマイナスの電界が入れ替わる)のマイクロ波を照射する装置で、水分子が振動し発熱することで食材を加熱する仕組みとなっています。

通常の工場の製造プロセスは、反応炉(リアクター)を電気やガス、蒸気等を用いて外部から加熱するため、全体が加熱されるまで時間がかかり、外側と内側で温度差ができるため全体が均一に加熱できませんでした。これに対して、マイクロ波による加熱では水分子を直接振動させるので、内部から急速に均一に加熱できるため、加熱時間が短く、省エネルギーです。私が見学した工場では、新聞用インクの基礎原料である脂肪酸エステルの商業生産を行っていますが、従来の方式と比べ、エネルギー使用量が3分の1、加熱時間(化学反応にかかる時間)が10分の1、用地面積が5分の1で、煙突もなく、とても経済的で環境にやさしいシステムとなっています。

工場内の写真を撮ることを許可してもらいました。写真①がマイクロ波発振器です。安全のためにリアクターとは壁で仕切られています。

                                         写真①  マイクロ波発振器


写真②の導波管を通じてマイクロ波が壁の向こう側にあるリアクター内に届きます。

                                          写真② 導波管


写真③がリアクターです。リアクターの内側はいくつかに区切られており、それぞれの段階で反応させたい物質に適した条件になるよう調節されています。リアクターと一緒に写っている2人が工場内の案内をしてくれたマイクロ波化学の社員です。ありがとうございました。

                                          写真③ マイクロ波リアクター(反応炉)


工場見学のあとにマイクロ波化学の代表取締役CEOである吉野社長と面談しました。5月24日のニュースリリースに「昨年から、両社により実験室レベルで特殊ペプチド合成に最適なマイクロ波反応系の開発を実施してきましたが、これをさらに進めてマイクロ波合成装置の開発を行います。」と記載されています。この進捗状況を伺ったところ、順調に進んでいますよとの回答をいただきました。吉野社長からは、自分たちの技術で100年以上ものづくりの方法が変わっていない化学産業を変革するんだという強い想いが伝わってきました。業種は違いますが、当社と通じるものがあるなぁと話をしながら感じました。







2017年9月16日土曜日

個人投資家向け会社説明会

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。9月15日(金)にSMBC日興証券 大阪支店主催の個人投資家向け会社説明会に行ってきました。3社合同の説明会だったこともあるでしょうが約120名の投資家様が熱心に聴いてくださいました。

講演時間が質問を含めて50分と限られていたため質問は2人だけになりましたが、終了後に4人が窪田のもとへ質問に来られました。

今後も証券会社主催の個人投資家向け会社説明会に積極的に参加したいと思っています。演者が私の場合もありますが、47都道府県すべてでの実施を当面の目標としています。

2017年9月11日月曜日

完成披露パーティー2

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。9月8日(金)の15時から2回目の新本社・研究所完成披露パーティーを行いました。今回は提携及び共同研究を行っている企業や大学・研究機関とペプチスター関係者約100名をお招きしました。

1回目と違う点が2つあります。1つ目は、地元の福田紀彦・川崎市長がお祝いに駆けつけてくださり、参加者が聴き入る、とても魅力的なあいさつをしていただいたことです。今月末に川崎市殿町と羽田空港を結ぶ新しい橋の起工式を行うと紹介されました。

 
2つ目は、菅バンドの生演奏によるおもてなしです。当社のコア技術の生みの親である東京大学の菅(すが)裕明教授(当社の社外取締役)が、学生時代の同級生3人と組んでいるバンドで、正式なバンド名はHopeless Bandというそうですが、我々は菅(すが)バンドと呼んでいます。私自身、菅バンドの存在は菅教授と始めて会った2013年から知っていたのですが、生の演奏を聴くのは初めてでとても楽しみにしていました。今回は応援にプロのトランペット奏者(ふみえさん)が加わりました。


演奏は4曲。いつもラストソングにしているというDean Brown(ディーン・ブラウン)というギタリストの『Just do it』という曲では、曲の最後の「We don't have to talk about it. Just do it」を合唱して盛り上がりました。「グダグダ言わないで、すぐにやれ!」という意味です。

今回は薬を出すために一緒に活動している人たちが中心でしたので、1回目とは違う熱気と仲間意識を感じました。様々な研究開発が今回のパーティーを機会にさらに加速されるのではと思いました。

2017年9月1日金曜日

ペプチスター

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。本日、世界初の特殊ペプチドCMOであるペプチスター株式会社が予定通り設立されました。

ペプチスターのロゴに関して、8月7日の新会社設立に関する記者会見で窪田が「右肩上がりの3つの線がありますが、これは最先端の技術、それを強固なものにする知財、優秀な人材をあらわしています。右上の球は星をあらわしています(星の形にするとかっこ悪いので球にしたそうです)。この3つがそろうことで世界のスターを目指すということを意味しています。」と説明していました。

私は、日本企業がチームを組んで世界に最先端技術を発信していくというイメージでとらえています。


本日の会社設立時のメンバーの写真を入手しました。前列真ん中が代表取締役社長の窪田、その両脇に立っている澤田拓子さん(塩野義製薬株式会社 取締役上席執行役員)と今哲昭さん(積水メディカル株式会社 取締役専務執行役員)の2名が取締役だそうです。

ペプチスターの代表取締役としての窪田のコメントです。「各社からそれぞれの専門部門のスペシャリストが参加して、力強いスタートが切れました。」

2017年8月28日月曜日

エントランスのアート

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。新本社・研究所のエントランス(入口)には、ミラノ在住のアーティストである廣瀬智央(ひろせ さとし)さんの作品があります。

ステンレススチールのたくさんの球からなり、浮遊しているように見えることから新しいものがどんどん湧きあがり、無限のひろがり、拡散するイメージとなっています。また、ピカピカに磨かれた球体は、空間全体を映し出し、見る角度を変えれば見え方が変わります。視点を変えることで新たな発見が生まれることも意味しています。廣瀬さんはこの作品名を「PDPS -Project・Discovery・Passage・String-」と名付けています。

実は新本社の建物には庭を含めて廣瀬さんの作品が18点設置されています。このエントランスの作品から建物の内外に拡散するというイメージのようです。建築空間全体がひとつの作品となっているものをインスタレーション(Installation)といいますが、当社の新本社もインスタレーションとなっています。

私は8月21日の竣工式で廣瀬さんと話をし、作品を案内してもらう機会を得ました。廣瀬さんが作品に込めた思いのように、この建物から国内外に対して新しいタイプの薬をどんどん生み出していけるように頑張りたい思っています。















PDPS,2017
Installation view at PeptiDream Inc.,Tokyo.
Art produce:TAK PROPERTY INC.Design&Art Division
Courtesy Tomio Koyama Gallary,Tokyo
©2017 Satoshi Hirose All Rights Reserved.

2017年8月23日水曜日

新たな布陣

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。8月22日開催した取締役会において代表取締役社長の窪田が代表取締役会長、常務取締役のパトリックが代表取締役社長になる異動を内定しました(正式決定は9月27日開催予定の株主総会後です)。

驚かれた方が大半だと思います。16時30分のニュースリリース後にアナリストやマスコミからなぜこのタイミングなのか、リード・パトリックとはどのような人物なのかとの問い合わせが多数きました。その質問に対して私が答えた内容を紹介します。

2017年に入り、当社にとって2つの大きなイベントがありました。1つ目は、川崎・殿町に新本社・研究所が完成し、7月に稼働を開始したことです。これまで事業拡大の制約となっていた研究スペースの問題が解決し、研究開発部の人材の積極採用等により、スピード感をもって事業拡大にのぞめるようになりました。

2つ目は、特殊ペプチドCMO「ペプチスター株式会社」の設立を決定したことです。当社の「成長戦略 第3章」の目標である「特殊ペプチド医薬品を医薬品の主流にする」ことを成し遂げるためには、当社の提携先企業が安心して研究開発を進めることができる環境を提供することが必要であり、そのためには特殊ペプチド原薬の安定した大量生産体制を構築することが不可欠となります。

当社の将来を左右するともいえる2大イベントを今後のさらなる成長へ的確につなげることが今回の人事の主要目的です。

社長の窪田は、当社のビジネスモデルを構築し、会社の立ち上げから安定した黒字体質の構築に経営手腕を発揮してまいりました。“新たな会社を立ち上げ、経営を軌道に乗せ、早期黒字へと導く能力”をペプチスター株式会社でも発揮してもらおうと、窪田は9月1日に設立予定のペプチスター株式会社の代表取締役社長に就任する予定です。1日7~8件の投資家向けIRをこなす超人的体力を持った窪田ですが、さすがに現在の体制のままでさらに新会社の代表取締役の仕事を上乗せすることは負担が重すぎると思います。そこで、当社については代表取締役会長として、当社の経営全般の推進・監督、後進の育成に注力してもらう体制としました(楽隠居するわけではありません)。

一方、当社にとって当面の最大の課題は、新しい研究所を最大限活用することですから当社の研究開発部をリードしてきたパトリックが窪田の後任にふさわしいと考えられます。研究者に企業経営ができるのかと心配されるかもしれませんが、パトリックは米国ダートマス医科大学でバイオケミストリーの博士号を取得したのちに、米国ダートマス大学でビジネストレーニングも受けています。実際にパトリックは当社で海外のビジネス案件を取り仕切ってきました。取締役会で提携先企業でのプロジェクトの進捗報告を行うのがパトリックの役割であり、当社の提携先企業及び提携先予備軍の状況を最も詳しく把握している人物です。パトリックの肩書に代表取締役がつくことで企業との交渉がこれまで以上にスムーズにいくことが予想されます。

代表取締役社長に内定したパトリックに「新社長として何がしたいか、または経営のキーワードを英語でもいいから教えて」と質問したところ、「薬を出すこと。ペプチドリームの最初の10年は基礎作りであり、ペプチドリームの評判を高めるための10年間だった。これは出来て、世界でペプチドリームの評判は高いです。次の10年は実際に薬を出すこと、世界中の人々に薬を届けることが僕のやることね」との答えが日本語で返ってきました。

私は思わず「リックさん、すごいね」と言ってしまいました。

このIR広報ブログで7月3日が当社の設立11周年ですと紹介しました。パトリックはこれまでの10年間とこれからの10年間を分けて考えていました。パトリックの当社入社は2007年1月となっていますが、実際は入社する前から菅教授に頼まれて当社の仕事を手伝っていましたからパトリックは社内では創業メンバーといった存在です。窪田と菅教授の2人が、『たった一人でも良い。病気で苦しんでいる方に「ありがとう」と言ってもらえる仕事がしたい。』という夢で創業した精神をしっかり受け止めているからこそ、とっさの質問の答えに、当社の目的・使命であり夢である「薬を届けること」との答えが出てくるのだと思います。

私はバイオのアナリストとして18年間、国内外の主要バイオベンチャーをずっと見てきました。たいていの会社は2代目の社長をビッグファーマの研究開発担当者からリクルートし、その人物が大手製薬会社での体験を振りかざして、その会社のもつ企業カルチャーやビジネスモデルに合わずに失敗しています。

当社の2代目社長が外国人だというので心配される方がおられるかもしれませんが、パトリックは当社の創業時に東京大学の倉庫から机といすをもらってきて会社をスタートさせ、ペプチドに対する偏見が蔓延していた時代からコツコツと国内外の製薬企業へPDPSの有用性を伝え、提携先企業を積み上げてきた創業時を知る中心人物です。来日時にはまったく話せなかった日本語も当社の社員とのコミュニケーションをしっかりとるために努力して勉強して流暢とまでは言えませんが、日本語で会話ができるようになっています。

昨日、ニュースリリースの直前に川崎の本社・研究所にいた社員すべてにホールに集まってもらい、窪田から今回の異動を報告しました。狼狽する者もおらず、多くの社員が当然の人事と受け止めた様子でした。パトリックのあいさつの後に、全員が拍手しました。

当社は新たな布陣で「特殊ペプチド医薬品を医薬品の主流にする」ことにまい進してまいりますので、今後も応援よろしくお願いいたします。




2017年8月21日月曜日

完成披露パーティー

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。本日21日は大安であり、15時から新本社・研究所完成披露パーティーを行いました。当社ホールの収容人数の関係で、2回に分けて行う計画にしており、1回目の今回は金融関係と実際に建設に携わった業者関係者をお招きしました(9月にもう1回、提携先企業を招いて行う計画です)。約90名が川崎市殿町まで足を運んでいただきました。

まず、ホールで社長の窪田が約5分のあいさつを行い、続いて取締役研究開発部長の舛屋から約20分の研究所紹介を行いました。大人数でもあり、実際に研究所内の施設を見て回ることはせずに、写真を用いての施設説明(バーチャルラボツアー)とさせていただきました。



その後はホール出入り口近くのホワイエ空間とテラスを用いて懇親会に移りました。17時に常務取締役(研究開発部担当)のパトリックがお礼のあいさつを行い、終了としました。

当社からは菅教授を除く役員が参加し、私も参加していただいたみなさまとずっと話をしてました。各方面の方々に当社は支えられているのだなと改めて感じました。参加された多くの方が、最後まで残っておられ、一体感が生まれた実り多い懇親の場になったと思います。帰り際に多くの方が笑顔だったのが印象的です。

おみやげはペプチドリームのロゴ入りのどら焼きにしました。

2017年8月14日月曜日

決算発表


みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。9日(水)の16時に17/6月期の決算及び18/6月期の業績予想を発表しました。

17/6月期の業績については、売上高は過去最高となりました。PDPSを非独占的にライセンス許諾する契約について新規契約が2件(米ジェネンテック社、塩野義製薬)得られたことによる契約一時金、技術移行の達成が2件(米ジェネンテック社、米リリー社)となったことによるマイルストーン収入が主因です。利益については、営業利益は研究開発部門で優秀な人材の積極採用を進めたことによる人件費増が主因でわずかながら減益となりましたが、経常利益、当期純利益はいずれも前年比2ケタ増となり、過去最高を更新しました。

過去最高といっても、上場以来の伸び率からみると伸びが鈍化しているようにみえるかもしれません。しかし、これは東京大学駒場リサーチキャンパスでの研究スペースが限られていたことが事業拡大の制約となっていたことが要因として挙げられます。これについては17年7月に川崎市殿町に新本社・研究所が完成し、研究スペースが大幅に拡大したことから再び高い伸びが見込めると予想しています。

18/6月期の業績予想については、「売上高70億円以上、営業利益29億円以上、経常利益31億円以上、当期純利益21億円以上」としました。17/6月期と比べて2ケタの増収増益で過去最高予想です。

昨年は、期初に業績予想数字の開示を行いませんでした。その根拠を「当社の経営・業績目標は複数の会計年度にわたるものが多く、単年度の業績数値として予測することは著しく困難であります。そのため、業績予想の数値を公表することを差し控えることといたしました」と説明しました。その状況に変化はありませんが、日本の上場バイオ企業で一番高い時価総額の評価をいただいている企業として、またこの1年間の国内外でのIR活動を通じて得た開示に関する要望を考慮し、現時点で投資家・アナリストのみなさんに提供できる業績予想数字について社内で活発な議論を行い、今回の“〇〇億円以上”という表現を用いて開示することを今期の方針として決めました。

通期の業績予想数字を開示する一方で、昨年実施した7項目の目標(マニフェストと呼んでいます)を掲げることに関しては、今期は行わないことにしました。7項目の中に臨床開発候補化合物の認可や臨床試験の開始等、当社ではコントロールできないものが入っており、単年度での目標設定に適さないと判断しました。

中期(5年間)の見通しについては、改めて開示内容を精査し、開示を継続しております。【中期の目標】は昨年の6項目に対し、今期は「PDC(ペプチド-薬物複合体)プロジェクト数」の項目が消えて5項目となっています。これはPDCプロジェクトの進捗に自信がなくなったのではなく、逆に特殊ペプチドをPDCとして用いるプロジェクトが我々の想定以上に様々な分野で広がりを見せていることから、PDCプロジェクトの定義を改めて行い、説明することが必要と考えたからです。8月23日(水)開催予定の決算説明会でPDCに関して詳しく説明する計画にしています。

2017年8月8日火曜日

記者会見

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。昨日、7日の14時から塩野義製薬、積水化学工業及び当社の3社合弁による特殊ペプチド原薬の製造受託会社(CMO)設立に関する記者会見を川崎市殿町の新本社・研究所で行いました。新会社の社名はペプチスター株式会社です。

テレビ会社を含む30名を上回るマスコミのみなさまに参加していただきました。100名近い人員が収容できる当社のホールの“こけらおとし”となりました。

まずペプチスターの社長に就任予定の当社の窪田から「特殊ペプチドCMO創立について」と題して約15分間、全体的な話をさせていただきました。次に塩野義製薬の手代木社長から「ペプチスター株式会社設立におけるシオノギの役割」と題してのプレゼン、3番目に積水化学工業の取締役 専務執行役員で高機能プラスチックスカンパニープレジデントの加藤氏が「積水化学における特殊ペプチド原薬事業の位置づけ」と題してのプレゼンを行いました。

3社の新会社における役割を簡単に紹介しましょう。

当社の役割は、これまで蓄積してきた特殊ペプチドの合成ノウハウを提供しつつ、技術開発及び技術融合の分野でリーダーシップをとることです。

塩野義製薬の役割は、薬事法、GMP及びその他法令に則った医薬品の製造に関する知見を有する製薬企業としてそのノウハウを提供することで、高品質な医薬品の製造に貢献することです。また、革新的ペプチド医薬品を創製し、特殊ペプチドの価値を世界的に証明する役割も担っています。

手代木社長はプレゼンの中で、当社と実施中の4つのターゲットに対する共同研究に関して、低分子アプローチで攻略が困難だった創薬ターゲットについて、短期間で高活性ペプチドの取得に成功したプロジェクトが出ていること、塩野義製薬の研究員が「これはすごい」と評価しているという話を紹介していただきました。

積水化学工業の役割は、生産性の高いペプチド合成技術での貢献です。積水メディカルで開発中のペプチド合成法「STag(エスタグ)法」は、現在のペプチド合成法の主流である固相合成法と異なり、溶解性の高いタグを使用した独自の液相合成法です。このSTag法を新会社の中でさらに発展させて、固相合成法と比べて安価、高純度、高品質なペプチド合成法を確立し、生産性の高いペプチド原薬の製造に貢献することを目指します。

3社のプレゼンの後に質疑応答の時間を取りましたが、質問が途切れず入り、予定時間を大きく超えることになりました。マスコミのみなさまが関心を持っていただけた結果だと思います。

東京では当日の夜23時からテレビ東京のワールドビジネスサテライトで会見の状況が
約50秒枠で放送されました。また参加したマスコミの多くが本日8日に写真付きの記事にして紹介してくれました。

長くなりましたので、ペプチスターの意義については改めて紹介させていただきます。

2017年8月2日水曜日

キングスカイフロント

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社が本社・研究所を構えた川崎市殿町のキングスカイフロントで本日、主に小学生を対象に、科学の楽しさを身近に実体験する「夏の科学イベント2017」が開催されました。当社は出展しなかったのですが、数名がスタッフとして参加しました。

13時スタートで、整理券の配布は11時50分からでしたが、親子連れの長蛇の列となっていました。主催者に聞いたところ、本日の参加者は約1,200名、昨年が約900名なので大幅に増えたということです。

私はジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)株式会社の広報の方にお願いして、小学生高学年から中学生までを対象にした「東京サイエンスセンター3周年記念 ブラック・ジャック セミナー」を最初だけ見学させていただきました。J&J社の東京サイエンスセンターは、普段は現役の医師が内視鏡手術等のトレーニングを行っている施設です。白衣(黄色ですが)にキャップ、マスク、手袋を身に着けてドクター気分となった子供たちが目を輝かせて複数の手術体験を行いました。

J&J社の社会貢献活動はさすがですね。ちなみに米国ジョンソン・エンド・ジョンソンはヘルスケア会社としては世界で最も時価総額(企業価値と言っていいと思います)が高い会社で、なんと約40兆円となっています。日本企業のトップが武田薬品工業で約4兆6,000億円ですから評価の高さはケタ違いです。当社は今年の4月にこの米国ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬部門である米国ヤンセンファーマ社との間で、創薬共同研究開発契約を締結しています。

来年は我々も出展し、社会貢献活動を行いたいと考えています。

2017年7月28日金曜日

竣工式

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。本日7月28日は大安であり、当社の本社・研究所新築工事 竣工式を行いました。社長の窪田、常務のリックさんをはじめ、東京大学の菅教授を含めて役員が参列しました。


10時から神事が始まり、約30分間で終了しました。熱中症対策もあり、本社・研究所の3階で行いました。斎主は地元の若宮八幡宮から来ていただきました。とても厳かな式祭でした。
※玉串拝礼の写真を掲載しました。







昨年の4月に始まった工事は無事、無災害で工期通りに終了、建物は当社のイメージ通りに完成し、設計施工者の株式会社 竹中工務店より引き渡しを受けました。現在、東京大学駒場リサーチキャンパスからの引っ越しを進めており、8月から稼働予定です。


立派な施設ができましたので、これに見合った成果をあげるよう役員・社員ともに決意をあらたにしています。
※参列者の全体写真を掲載しました。


2017年7月21日金曜日

クリオとの戦略的共同研究開発契約について

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。今回は7月18日に発表したKleo Pharmaceuticals(以下 クリオ)との新規がん免疫治療薬に係る戦略的共同研究開発契約を締結したというニュースを解説します。


今回の提携は、PDC医薬品の開発パイプラインの拡充を図ることが目的です。


当社は独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPSから見出された特殊環状ペプチドを用いて「特殊ペプチド医薬品」の他に「低分子医薬品」や「ペプチド-薬物複合体(PDC)医薬品」の研究開発も進めています。


PDC医薬品とは、特殊環状ペプチドの高い特異性と強い結合力という特性を、標的細胞の特定の箇所へ薬物を届ける運び屋として使用するものです。バイク宅急便のイメージです。今回お届けする薬物はがん免疫治療薬です。がん免疫治療とは、がん細胞を免疫の働きを活用して治療することです。


人間の体は、病原体やがん細胞等の敵の侵入・発生を監視し、攻撃・排除する「免疫機構」の働きで守られています。中心的な役割を担うものが、免疫細胞であるB細胞が産生する「抗体」と呼ばれる生体内物質(タンパク質)です。Yの字の形をしており、標的であるがん細胞と結合するYの字の上の部分をFab領域といい、下の部分をFc領域といいます。


抗体を医薬品として用いる「抗体医薬」のがん細胞に対する主要な攻撃パターンは2つあります。1つ目が結合阻害です。抗体が、がん細胞の表面にある受容体(レセプター)に結合することで、がん細胞の生存・増殖に必要な情報(シグナル)を遮断してしまう戦法です。


2つ目は、ADCC(抗体依存性細胞障害)と呼ばれる戦法です。がん細胞の目印(がん抗原)と結合した抗体は、NK(ナチュラルキラー)細胞等の免疫細胞の援軍の動員を呼びかけます。駆け付けたNK細胞等が抗体のFc領域と結合すると活性化する性質をもっており、パワーアップしたNK細胞等ががん細胞を攻撃するという仕組みです。


今回の提携パートナーであるクリオは米国の名門イエール大学のSpiegel(シュピーゲル)教授の研究室から生まれた技術をもとに設立された大学発バイオベンチャーです。クリオは、抗体医薬の2つ目の戦法であるADCCを、抗体医薬よりもはるかに小分子化された免疫治療薬で実現しようとしている会社といえます。


現在、クリオはARM及びSyAMという2種類のがん免疫治療薬プラットフォームを有しています。ARMとSyAMについての説明は今回のニュースリリースにはありませんでした。私がクリオのホームページに載っている説明を読んで理解している内容をここで説明します。


ARM(アームと呼んでいます)は、Antibody Recruiting Moleculeの頭文字をとったもので、抗体を新兵として募る分子と訳すことができます(注・訳は岩田)。小さい分子の片方の末端に標的であるがん細胞と結合する部位があり、もう一方の末端に抗体と結合する部位が付いています。私が考えるARMのがん細胞に対する作用イメージは、がん患者に投与されたARMが、がん細胞と結合し、抗体を呼び寄せ、ARMと結合した抗体がNK細胞等の免疫細胞の援軍の動員を働きかけ、集まった免疫細胞をパワーアップさせがん細胞を攻撃するというものです。


SyAM(シャムと呼んでいます)は、Synthetic Antibody Mimicの頭文字をとったもので、合成抗体模倣物と訳すことができます(注・訳は岩田)。小さい分子の片方の末端に標的であるがん細胞と結合する部位があるのはARMと一緒ですが、もう一方の末端には抗体のFc領域に相当するものが付いています。抗体を介さずにSyAM自体が抗体のような働きをして直接NK細胞等の免疫細胞を呼び寄せ、集まった免疫細胞をパワーアップさせがん細胞を攻撃するという、よりイノベーティブな技術といえると思います。


クリオが開発しているARMとSyAMの標的であるがん細胞と結合する末端部分については、当社の特殊環状ペプチドに切り替えた方が、さらに特異性高く、強固に結合するものができるのではないかと考えられます。今回の戦略的共同研究開発で、それを検証していきます。当社にとっては、特殊環状ペプチドに、新規がん免疫治療薬を結合させたPDC医薬品ということができます。


当社は、特殊環状ペプチドを用いた医薬品が抗体医薬の代替になると言ってきました。これまでは結合阻害タイプの抗体医薬の代替が研究開発の中心でしたが、今回の提携でADCCタイプの抗体医薬の代替についての研究開発も米国の最先端の会社と戦略的に取り組めることになりました。当社にとって意義深い提携ということができるのです。

2017年7月19日水曜日

エコ

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社の新本社・研究所は芸術性と環境(エコ)を兼ね備えた建物となっています。


外壁に帆船の帆のような形をしたルーバーと呼ばれる構造物がついています。これはここを拠点に世界にはばたくというイメージをあらわしたものであるとともに、窓からの日射光を調整し、室内の節電効果を高める働きもあります。


またこの外装ルーバーには酸化チタンが塗膜してあるので、「光触媒」作用により、太陽の光があたると活性酸素を発生させ、表面についた菌や汚れを分解するとともに、高い親水性(水とよくなじむ性質)により、雨が降ると汚れが洗い流されるセルフクリーニング効果が期待されます。

2017年7月12日水曜日

リックさん

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社の常務取締役(研究開発部担当)はPatrick Reidという米国人です。米国人らしい明るい性格で、私は親しみをこめてリックさんと呼んでいます。


2004年に東京大学の分子生物医学の特任助教授として来日した際には、日本語は全くできなかったらしいのですが、現在は私と日本語で会話ができます。


菅教授の話を聞き、当社への入社を決めたそうです(07年1月入社)。海外のビジネス案件も取り仕切っている頼りになる人物です。

2017年7月11日火曜日

パキラ

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。私がいます東京オフィスは、日本橋にあり、当社のIRの拠点として設置されました。川崎・殿町に新本社・研究所ができても存続する予定です。


今年の6月、私が入社した際に、東京オフィスに持ち込んだものが観葉植物パキラです。私がバイオアナリストをしていた時のアシスタントだった女性が「ネットで評判で、私も効果を感じている」と言って教えてくれた開運関連本に、パキラが強く推奨されていました。さっそく私も家と職場で育てはじめると、確かに運が良くなった実感があります(個人の感想です)。


当社に持ち込んだパキラは、購入した1年前と比較して2倍以上に成長したものです。新しい職場環境になじむか心配でしたが、1か月前と比べて少し大きくなった感じでほっとしています。


当社の運がさらに良くなるのではと期待しています。


2017年7月7日金曜日

軽井沢

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。社長の窪田は昨日から軽井沢です。避暑に行っているのではありません。伝統ある「軽井沢トップ・マネジメント・セミナー」の講師の1人として参加しています。


軽井沢トップ・マネジメント・セミナーは、1958年(昭和33年)に日本で初めての経営者セミナーとして始まって以来、夏の財界セミナーのトップをきって毎年開催され、今年で第62回を迎えました。本年の統一テーマは「大転換期における経営~変化を新たな価値へ」です。


窪田は上場企業、中堅企業の経営層を中心に約130名が参加した1時間30分のパネルディスカッションのセッションで、ペプチドリームのビジネスモデルの話を中心に、イノベーションによる価値創造に関する発表をしました。創薬環境におけるビジネスモデルは大きな転換期に来ており、それに対応できるか否かが勝敗の分かれ目であるといった趣旨の話をしたようです。


開催者である公益財団法人 日本生産性本部様から当日の写真を提供していただきました。ありがとうございました。

2017年7月6日木曜日

GPCRを標的とした戦略的共同研究

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。昨日、お問い合わせをいただきましたので、今回は6月29日にそーせいグループの子会社である英国Heptares Therapeutics社(以下 ヘプタレス)との間で締結した、戦略的共同研究契約の話をします。


今回の提携は、自社の医薬品候補化合物(パイプライン)の拡充を図ることが目的です。


当社の強みは、独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPSを持ち、創薬の標的となる標的タンパク質さえ用意されれば、それに結合する特殊環状ペプチドをほぼ確実に見つけることができることです。見出された特殊環状ペプチドが各種創薬開発するためのおおもとの物質となるのです。


今回の契約先のヘプタレスは、標的タンパク質として有望と注目度の高いGPCR(細胞膜上の7回膜貫通型受容体)に関して世界屈指の技術を持っています。


人間の体は、それぞれの細胞が互いにネットワークをつくり、それぞれが決められた役割・機能を発揮することで生命活動が維持されています。この際に、外部からの信号を認識し、選択して、細胞内に情報を伝える重要な役割を担っているのが細胞膜受容体です。正しい周波数のみ受信するテレビのアンテナみたいなイメージです。細胞膜受容体の中でも細胞膜を外側から内側へ7回貫通する構造をもつ受容体(GPCRと呼ばれます)は特に医薬品の有望な標的タンパク質として知られています。


しかしGPCRは細胞膜から分離すると立体構造が崩れてしまうので、構造解析が進まず、新薬開発が難しいとされてきました。私の家の玄関にアサガオが咲いていますが、支柱に巻き付いたツルをはずすと元の巻き付いた構造を維持できないのと同じです。この問題をヘプタレスは独自技術で立体構造を安定化(固定化)することに成功しています。


当社は世界中の特別な技術を有する創薬企業・バイオベンチャー企業と戦略的提携を組むことで、自社の医薬品候補化合物の拡充を図っています。すでに16年2月に独自の血液脳関門(BBB)通過技術を持つ「JCRファーマ」と共同研究契約を締結し、17年6月には最先端の計算技術を駆使して迅速かつ効率的に低分子医薬品候補化合物をデザインする技術を持つ「モジュラス」と戦略的創薬研究契約を締結しています。
今回の契約は、その戦略の1つという位置づけであり、炎症性疾患の治療において重要な役割を持つGPCRを標的とする新規治療薬の研究開発・商業化を目指して戦略的共同研究を開始します。

2017年7月5日水曜日

Novartis Leading Scientist

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。先日、当社と戦略的提携を行った創薬ベンチャーの幹部の方と、当社との提携を決めた背景と要因に関して聞いていたところ、当社の創薬開発プラットフォームシステム:PDPSを使えるということ以外に、PPI創薬の分野で世界に何人もいないスーパースターである舛屋さん一緒に仕事ができることを強調されておられました。


これは「灯台下暗し」だなと思い、さっそく当社の取締役研究開発部長である舛屋(ますや)の話を聞きに行きました。


詳しい内容は改めて書きますが、私が一番「へえ~」と思ったのは、舛屋がスイスNovartis(ノバルティス)社に在籍中の2012年に受賞した「Novartis leading Scientist」の称号です。「Novartis leading Scientist」の肩書はノバルティスを退職後も一生使っていいとされており、ヨーロッパではこの肩書があるとすぐに大学から教授として迎え入れられるほど権威のあるものだそうです。


最も優れた実績をあげた研究者に毎年数名が贈られるものですが、舛屋は日本人として初めての受賞であり、歴代最年少の受賞でもあるようです。ノバルティスにタンパク-タンパク相互作用阻害剤(PPI Inhibitors)を開発する基盤を作ったことが受賞の主因のようです。

2017年7月3日月曜日

本日は会社設立11周年

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社の設立は2006年7月3日であり、本日は設立11周年となります。


そこで社長の窪田にコメントをお願いしました。『「今日は創立記念日ですネ!」岩田さんに言われて、ふと思い出しました。東京大学・駒場リサーチラボの一角、3畳一間に大学から無償で頂いたデスク1つからスタートしたペプチドリームは、川崎に自社の研究所を持つに至りました。でも、ペプチドリームの夢の達成はまだ、3合目です。これからが本番と気を引き締めて頑張りたいと思っています。』

ワクワク感

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。大学を卒業して最初の仕事が国会議員の秘書という関係で、テレビの選挙特番が大好きであり、少々寝不足ですが、今月もよろしくお願いします。


ペプチドリームに入社して1か月がたちました。6月はニュースリリースが多かったことに加えて、決算発表(8月9日を予定)や機関投資家・マスコミ向け決算説明会(8月23日を予定)の準備、新本社・研究所の下見(7月末までに移転を完了する予定)、海外IRの打ち合わせや準備等を行い、あっと言う間の1か月という感覚でした。


私はバイオ企業に必要なものは“ワクワク感”だと思っています。当社に投資していただいた株主様の多くは、当社の事業内容にワクワク感を感じたからだと思っており、会社の役割とはそのワクワク感に応え、さらにグレードアップしたワクワク感を持ち続けていただけるようにすることと考えています。


2018年6月期がスタートしました。ワクワク感を感じていただけるIRをたくさんお届けできることを目指して頑張りたいと思っています。

2017年6月30日金曜日

当社のロゴについて

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。今回は当社のロゴについてお話しします。


無限大を表す記号∞がグラデーションしている形となっています。作成者である社長の窪田によりますと、2つの輪の中心の点は菅教授が開発した人工RNA触媒であるフレキシザイムを意味しており、特殊ペプチドがどんどん広がっていくイメージを表しています。


そのイメージどおり、当社の契約企業がどんどん増えている状況となっています。







2017年6月28日水曜日

菅教授の講演

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社のコア技術の生みの親である東京大学の菅(すが) 裕明教授(当社の社外取締役)が今年の3月2日に行った講演の動画が、主催者である公益財団法人 本田財団のホームページにアップされましたのでお知らせします。

本田財団は、自然環境や人間社会との調和ある科学技術の発展を望んだ本田技研工業の創業者である本田宗一郎氏と、その弟・弁二郎氏の寄付金によって1977年に設立されました。

「異端は認められた瞬間に先端になる -基礎研究からイノベーションへ、日本に例のないバイオベンチャーをつくる-」との演題で、質疑応答を含め約1時間の内容です。最初の約45分は技術の話が中心で、その後の約10分がバイオベンチャーに関する話です。当社を理解するうえで参考になる話が満載ですので聞いてみてください。

なお、この内容は5月28日放送のNHKラジオの文化講演会でも紹介されています。


2017年6月26日月曜日

競合企業について

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。今回はIR活動の中で質問を受けることが多い、当社の競合企業についてお答えします。

この答えは、私が先日、当社のコア技術の生みの親である東京大学の菅 裕明教授(当社の社外取締役)に、特殊環状ペプチドを用いて医薬品開発を行う会社は当社以外にもあるのですか?と聞いた際の答えが一番適切と思いますので、それを記載します。

「ありますが、技術が基本的に違います。他社はファージディスプレイという技術でバクテリオファージというウイルスを使っているのでダイバーシティ(多様性)が低く、10の7乗から8乗ぐらいです。この程度では、製薬企業から提供された標的タンパク質に強く結合して機能する特殊環状ペプチドを一発で見つけることは難しいですよ。これに対して我々の技術は、分子1個にRNAがついているだけの構造の分子で、分子の大きさがものすごく小さく、ダイバーシティは10の12乗(1兆種類)あるため、製薬企業からきちんとした標的タンパク質を提供していただけたらほぼ必ず強く結合する特殊環状ペプチドを見つけ出すことができます。またNメチルアミノ酸に代表される特殊アミノ酸を導入し、ペプチドの安定性・体内動態を向上させることができるのはPDPSしかありません。」

少し専門的な答えですが、結論は当社と同じビジネスモデルの事業を行える競合企業はないということです。

なお、菅教授は特殊環状ペプチドというカテゴリーを創り出した人物として世界的に知られており、菅教授の発表をずっと追っている菅ウォッチャーと呼ばれる研究者は世界的に増加しています(私も菅ウォッチャーの1人です)。

菅教授の好きな名言がアップル社の創業者であるスティーブ・ジョブズの「絶対にマネのできない、マネしようとすら思わないレベルのイノベーションを続けろ。」です。

2017年6月23日金曜日

モジュラスとの戦略的創薬研究契約について

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。今回は6月20日に発表したモジュラス株式会社(以下 モジュラス)と戦略的創薬研究契約を締結したというニュースを解説します。

今回の提携は低分子医薬品の開発強化ということができます。

当社の強みは、数兆種類の特殊ペプチドからなる独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPSを持っていることです。私はこのPDPSを医薬品に関する“打ち出の小槌”と思っています。当社のことを「特殊ペプチド医薬品」の開発会社と思っている方が多いと思いますが、現在はPDPSから見出された特殊ペプチドを創薬開発手段として用いることにより「低分子医薬品」や「PDC医薬品」の開発も進めています。

当社の新たな提携先であるモジュラスは最先端の計算技術を活用し、高速かつ効率的に低分子医薬品の候補化合物を創出することを目指している創薬ベンチャーです。創薬における計算化学技術分野(computational drug discovery)の世界的リーディングカンパニーである米シュレディンガー社で経験を積んだメンバーを中核として設立されました。

前回ブログで紹介しましたように、当社はJAXAと戦略的なパートナーシップ契約を締結したことで、標的タンパク質と特殊ペプチドが結合した状態での精密なX線結晶構造解析情報が得られることになりました。この情報から標的タンパク質のどこに、どのような形の結合スポットがあるかがわかります。この情報をもとにモジュラスが最先端の計算技術を駆使して迅速かつ効率的に低分子医薬品候補化合物を設計するのです。医薬品の開発は鍵穴と鍵の関係に例えられますが、当社が鍵穴の形状に対する精密な情報を提供し、モジュラスがその形状にピッタリの鍵を設計し作成するイメージです。

低分子医薬品の創製には行き詰まり感が指摘されていましたが、両社の最先端技術を組み合わせることで、これまで低分子医薬品の開発が困難だった標的タンパク質に対して、低分子医薬品の候補化合物の設計、創出が可能になると期待されるのです。

日本証券新聞に載りました

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。私事ですが、6月19日に日本証券新聞の取材を受けました。それが22日付の1面に掲載されました。約1時間のインタビューを先方がまとめたものです(事前のチェックはありませんでした)。

先方のご厚意により、ブログ掲載を認めていただきましたので紹介します。

2017年6月21日水曜日

JAXAの高品質タンパク質結晶生成実験について

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。今回は6月9日に発表したJAXA(ジャクサと読みます)と高品質タンパク質結晶生成実験において、協力関係を発展させた戦略的なパートナーシップ契約を締結したというニュースを解説します。

JAXAの正式名称は国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構です。JAXAは地上約400㎞上空に建設された国際宇宙ステーション(ISS)の中に、「きぼう」日本実験棟をもっています。そこで宇宙飛行士たちが微小重力環境(地上の100万分の1の重力)で行う高品質タンパク質結晶生成実験が当社の創薬開発にとても重要な情報を与えてくれるのです。ちなみに、アニメ「宇宙兄弟」のヒロイン・せりかは、宇宙飛行士になる目的を、父親が発症した難病の治療薬をISSの無重力空間の中での実験で見つけるためと言ってました。

医薬品の開発とは、病気の原因となっている生体内物質(主にタンパク質からできています)を見出し、この標的タンパク質に強く結合し機能を阻害する化合物を探し出すことから始まります。

今回の標的タンパク質はHER2(ヒト上皮細胞成長因子受容体2)という物質です。HER2(ハーツーと読みます)は医薬品の開発では有名な標的タンパク質で、乳がん患者の25~30%は腫瘍細胞の表面にHER2が過剰に発現しており、このタイプの患者はがんの進行が早く、転移しやすいことが知られています。

当社は独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPSを用いて、HER2と結合する特殊環状ペプチドを見出しています。この特殊環状ペプチドを用いて、PDC(ペプチド‐薬物複合体)医薬品の開発を進めています。しかし、これまで特殊環状ペプチドがHER2のどの箇所に、どのように結合しているのかという結合様式についての3次元画像情報は得ていませんでした。

当社はこの情報を得るためにJAXAに一連の作業を委託しました。「きぼう」日本実験棟には、タンパク質を結晶化させるための「タンパク質結晶生成実験装置」が備え付けられています。まず、HER2と特殊環状ペプチドを結合させたものを、この装置を用いて結晶化させます。ほぼ無重力の環境下で作った結晶は、地上では得ることのできない高品質の結晶が得られます。これを地上に持ち帰り、日本が誇る大型放射光施設「SPring-8」でX線を照射し、その反射(正式には回折)情報をもとに特殊環状ペプチドとHER2の結合様式が精密な3次元画像情報として得られたのです(これをX線結晶構造解析といいます)。

しかも明らかになった結合様式は、これまでに知られていない極めてユニークなものであることも判明しました。今回のことは、当社がHER2を標的に開発を進めている特殊環状ペプチドが有望な候補化合物ということを示唆する貴重な情報であり、さらによいものに磨きあげていく(新薬設計につなげていく)研究開発を加速する効果が大きいと考えられます。JAXAの「きぼう」日本実験棟を利用した一連の作業はまさに「新薬設計支援プラットフォーム」ということができ、当社は協力関係を発展させた戦略的なパートナーシップ契約を締結したのです。

2017年6月20日火曜日

株式分割について

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社は6月13日に株式分割に関するお知らせを発表しました。6月30日(金曜日)最終の株主名簿に記録された株主様の所有する普通株式1株につき2株の割合をもって分割いたします。取引所が投資単位は50万円以下が望ましいとしていることや、株式の流動性の向上を図ること等が目的です。

この発表以降、ほぼ毎日、株式分割を得られる取引最終日に関する質問がきておりますので、お答えします。6月27日(火曜日)が権利付き最終日となります(なお念のため、取引先の証券会社にもお確かめください)。ではまた。

2017年6月15日木曜日

官邸 国際広報室が当社の技術紹介動画を作成

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。首相官邸 国際広報室が、日本の先進的な技術を紹介する活動“Innovation Japan”として、当社の技術紹介動画(英語)を作成し、海外に紹介していただきました。国際広報室の皆様、ありがとうございました。

窪田は、『この程、首相官邸国際広報室より我が国の先端技術の一環として当社の技術をご紹介いただいたことは非常に光栄であり、ご紹介に恥じない実績を積み重ねていく使命を強く感じています。

我が国の基幹産業としてバイオの分野が確立されることは誠に重要であり、その一端を当社が担えるように全力で頑張りたいと思っています。

「世界中の病気で苦しんでいる方にありがとうと言っていただける仕事」を目指し今後とも研究開発に精進いたします。』とコメントしています。

2017年6月14日水曜日

ペプチドリーム IR広報ブログを開設しました。

みなさん、初めまして、ペプチドリームのIR広報部門の責任者に就任しました岩田です。当社の現状と将来をわかりやすく、的確に伝えていく一貫として、本日よりIR広報ブログを始めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

まずは直近の活動報告です。6月6日(火)に社長の窪田が「技術経営・イノベーション シンポジウム」で講演を行いました。今年の2月1日にニュースリリースでお知らせしましたが、当社は一般社団法人 科学技術と経済の会(以下 JATES)が主催する「第5回 技術経営・イノベーション賞」において、「科学技術と経済の会会長賞」を受賞しました。今回のシンポジウムは受賞した先進的事例を広く周知し、更なるイノベーションへのチャレンジを推進する一助とすることを目的にJATESにより開催され、会場となった日比谷コンベンションホール(大ホール)は約140名が出席しました。

窪田は「日本発世界初の特殊ペプチド創薬開発プラットフォームシステムによる新薬開発のイノベーション」という演題で、大学発の優れた技術シーズから創薬開発のプラットフォーム(PDPS)を創り上げ、事業化に導いた過程を紹介しました。当社の事業内容を多くの方々に聞いていただく、いい機会だったと思います。

今回は事後報告でしたが、今後は当社および当社関係者が講演するイベントが開催される場合は事前にみなさまにこの欄でご案内しようと思っています。

ご愛読いただけましたら幸いです。どうかよろしくお願いいたします。