2017年8月28日月曜日

エントランスのアート

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。新本社・研究所のエントランス(入口)には、ミラノ在住のアーティストである廣瀬智央(ひろせ さとし)さんの作品があります。

ステンレススチールのたくさんの球からなり、浮遊しているように見えることから新しいものがどんどん湧きあがり、無限のひろがり、拡散するイメージとなっています。また、ピカピカに磨かれた球体は、空間全体を映し出し、見る角度を変えれば見え方が変わります。視点を変えることで新たな発見が生まれることも意味しています。廣瀬さんはこの作品名を「PDPS -Project・Discovery・Passage・String-」と名付けています。

実は新本社の建物には庭を含めて廣瀬さんの作品が18点設置されています。このエントランスの作品から建物の内外に拡散するというイメージのようです。建築空間全体がひとつの作品となっているものをインスタレーション(Installation)といいますが、当社の新本社もインスタレーションとなっています。

私は8月21日の竣工式で廣瀬さんと話をし、作品を案内してもらう機会を得ました。廣瀬さんが作品に込めた思いのように、この建物から国内外に対して新しいタイプの薬をどんどん生み出していけるように頑張りたい思っています。















PDPS,2017
Installation view at PeptiDream Inc.,Tokyo.
Art produce:TAK PROPERTY INC.Design&Art Division
Courtesy Tomio Koyama Gallary,Tokyo
©2017 Satoshi Hirose All Rights Reserved.

2017年8月23日水曜日

新たな布陣

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。8月22日開催した取締役会において代表取締役社長の窪田が代表取締役会長、常務取締役のパトリックが代表取締役社長になる異動を内定しました(正式決定は9月27日開催予定の株主総会後です)。

驚かれた方が大半だと思います。16時30分のニュースリリース後にアナリストやマスコミからなぜこのタイミングなのか、リード・パトリックとはどのような人物なのかとの問い合わせが多数きました。その質問に対して私が答えた内容を紹介します。

2017年に入り、当社にとって2つの大きなイベントがありました。1つ目は、川崎・殿町に新本社・研究所が完成し、7月に稼働を開始したことです。これまで事業拡大の制約となっていた研究スペースの問題が解決し、研究開発部の人材の積極採用等により、スピード感をもって事業拡大にのぞめるようになりました。

2つ目は、特殊ペプチドCMO「ペプチスター株式会社」の設立を決定したことです。当社の「成長戦略 第3章」の目標である「特殊ペプチド医薬品を医薬品の主流にする」ことを成し遂げるためには、当社の提携先企業が安心して研究開発を進めることができる環境を提供することが必要であり、そのためには特殊ペプチド原薬の安定した大量生産体制を構築することが不可欠となります。

当社の将来を左右するともいえる2大イベントを今後のさらなる成長へ的確につなげることが今回の人事の主要目的です。

社長の窪田は、当社のビジネスモデルを構築し、会社の立ち上げから安定した黒字体質の構築に経営手腕を発揮してまいりました。“新たな会社を立ち上げ、経営を軌道に乗せ、早期黒字へと導く能力”をペプチスター株式会社でも発揮してもらおうと、窪田は9月1日に設立予定のペプチスター株式会社の代表取締役社長に就任する予定です。1日7~8件の投資家向けIRをこなす超人的体力を持った窪田ですが、さすがに現在の体制のままでさらに新会社の代表取締役の仕事を上乗せすることは負担が重すぎると思います。そこで、当社については代表取締役会長として、当社の経営全般の推進・監督、後進の育成に注力してもらう体制としました(楽隠居するわけではありません)。

一方、当社にとって当面の最大の課題は、新しい研究所を最大限活用することですから当社の研究開発部をリードしてきたパトリックが窪田の後任にふさわしいと考えられます。研究者に企業経営ができるのかと心配されるかもしれませんが、パトリックは米国ダートマス医科大学でバイオケミストリーの博士号を取得したのちに、米国ダートマス大学でビジネストレーニングも受けています。実際にパトリックは当社で海外のビジネス案件を取り仕切ってきました。取締役会で提携先企業でのプロジェクトの進捗報告を行うのがパトリックの役割であり、当社の提携先企業及び提携先予備軍の状況を最も詳しく把握している人物です。パトリックの肩書に代表取締役がつくことで企業との交渉がこれまで以上にスムーズにいくことが予想されます。

代表取締役社長に内定したパトリックに「新社長として何がしたいか、または経営のキーワードを英語でもいいから教えて」と質問したところ、「薬を出すこと。ペプチドリームの最初の10年は基礎作りであり、ペプチドリームの評判を高めるための10年間だった。これは出来て、世界でペプチドリームの評判は高いです。次の10年は実際に薬を出すこと、世界中の人々に薬を届けることが僕のやることね」との答えが日本語で返ってきました。

私は思わず「リックさん、すごいね」と言ってしまいました。

このIR広報ブログで7月3日が当社の設立11周年ですと紹介しました。パトリックはこれまでの10年間とこれからの10年間を分けて考えていました。パトリックの当社入社は2007年1月となっていますが、実際は入社する前から菅教授に頼まれて当社の仕事を手伝っていましたからパトリックは社内では創業メンバーといった存在です。窪田と菅教授の2人が、『たった一人でも良い。病気で苦しんでいる方に「ありがとう」と言ってもらえる仕事がしたい。』という夢で創業した精神をしっかり受け止めているからこそ、とっさの質問の答えに、当社の目的・使命であり夢である「薬を届けること」との答えが出てくるのだと思います。

私はバイオのアナリストとして18年間、国内外の主要バイオベンチャーをずっと見てきました。たいていの会社は2代目の社長をビッグファーマの研究開発担当者からリクルートし、その人物が大手製薬会社での体験を振りかざして、その会社のもつ企業カルチャーやビジネスモデルに合わずに失敗しています。

当社の2代目社長が外国人だというので心配される方がおられるかもしれませんが、パトリックは当社の創業時に東京大学の倉庫から机といすをもらってきて会社をスタートさせ、ペプチドに対する偏見が蔓延していた時代からコツコツと国内外の製薬企業へPDPSの有用性を伝え、提携先企業を積み上げてきた創業時を知る中心人物です。来日時にはまったく話せなかった日本語も当社の社員とのコミュニケーションをしっかりとるために努力して勉強して流暢とまでは言えませんが、日本語で会話ができるようになっています。

昨日、ニュースリリースの直前に川崎の本社・研究所にいた社員すべてにホールに集まってもらい、窪田から今回の異動を報告しました。狼狽する者もおらず、多くの社員が当然の人事と受け止めた様子でした。パトリックのあいさつの後に、全員が拍手しました。

当社は新たな布陣で「特殊ペプチド医薬品を医薬品の主流にする」ことにまい進してまいりますので、今後も応援よろしくお願いいたします。




2017年8月21日月曜日

完成披露パーティー

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。本日21日は大安であり、15時から新本社・研究所完成披露パーティーを行いました。当社ホールの収容人数の関係で、2回に分けて行う計画にしており、1回目の今回は金融関係と実際に建設に携わった業者関係者をお招きしました(9月にもう1回、提携先企業を招いて行う計画です)。約90名が川崎市殿町まで足を運んでいただきました。

まず、ホールで社長の窪田が約5分のあいさつを行い、続いて取締役研究開発部長の舛屋から約20分の研究所紹介を行いました。大人数でもあり、実際に研究所内の施設を見て回ることはせずに、写真を用いての施設説明(バーチャルラボツアー)とさせていただきました。



その後はホール出入り口近くのホワイエ空間とテラスを用いて懇親会に移りました。17時に常務取締役(研究開発部担当)のパトリックがお礼のあいさつを行い、終了としました。

当社からは菅教授を除く役員が参加し、私も参加していただいたみなさまとずっと話をしてました。各方面の方々に当社は支えられているのだなと改めて感じました。参加された多くの方が、最後まで残っておられ、一体感が生まれた実り多い懇親の場になったと思います。帰り際に多くの方が笑顔だったのが印象的です。

おみやげはペプチドリームのロゴ入りのどら焼きにしました。

2017年8月14日月曜日

決算発表


みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。9日(水)の16時に17/6月期の決算及び18/6月期の業績予想を発表しました。

17/6月期の業績については、売上高は過去最高となりました。PDPSを非独占的にライセンス許諾する契約について新規契約が2件(米ジェネンテック社、塩野義製薬)得られたことによる契約一時金、技術移行の達成が2件(米ジェネンテック社、米リリー社)となったことによるマイルストーン収入が主因です。利益については、営業利益は研究開発部門で優秀な人材の積極採用を進めたことによる人件費増が主因でわずかながら減益となりましたが、経常利益、当期純利益はいずれも前年比2ケタ増となり、過去最高を更新しました。

過去最高といっても、上場以来の伸び率からみると伸びが鈍化しているようにみえるかもしれません。しかし、これは東京大学駒場リサーチキャンパスでの研究スペースが限られていたことが事業拡大の制約となっていたことが要因として挙げられます。これについては17年7月に川崎市殿町に新本社・研究所が完成し、研究スペースが大幅に拡大したことから再び高い伸びが見込めると予想しています。

18/6月期の業績予想については、「売上高70億円以上、営業利益29億円以上、経常利益31億円以上、当期純利益21億円以上」としました。17/6月期と比べて2ケタの増収増益で過去最高予想です。

昨年は、期初に業績予想数字の開示を行いませんでした。その根拠を「当社の経営・業績目標は複数の会計年度にわたるものが多く、単年度の業績数値として予測することは著しく困難であります。そのため、業績予想の数値を公表することを差し控えることといたしました」と説明しました。その状況に変化はありませんが、日本の上場バイオ企業で一番高い時価総額の評価をいただいている企業として、またこの1年間の国内外でのIR活動を通じて得た開示に関する要望を考慮し、現時点で投資家・アナリストのみなさんに提供できる業績予想数字について社内で活発な議論を行い、今回の“〇〇億円以上”という表現を用いて開示することを今期の方針として決めました。

通期の業績予想数字を開示する一方で、昨年実施した7項目の目標(マニフェストと呼んでいます)を掲げることに関しては、今期は行わないことにしました。7項目の中に臨床開発候補化合物の認可や臨床試験の開始等、当社ではコントロールできないものが入っており、単年度での目標設定に適さないと判断しました。

中期(5年間)の見通しについては、改めて開示内容を精査し、開示を継続しております。【中期の目標】は昨年の6項目に対し、今期は「PDC(ペプチド-薬物複合体)プロジェクト数」の項目が消えて5項目となっています。これはPDCプロジェクトの進捗に自信がなくなったのではなく、逆に特殊ペプチドをPDCとして用いるプロジェクトが我々の想定以上に様々な分野で広がりを見せていることから、PDCプロジェクトの定義を改めて行い、説明することが必要と考えたからです。8月23日(水)開催予定の決算説明会でPDCに関して詳しく説明する計画にしています。

2017年8月8日火曜日

記者会見

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。昨日、7日の14時から塩野義製薬、積水化学工業及び当社の3社合弁による特殊ペプチド原薬の製造受託会社(CMO)設立に関する記者会見を川崎市殿町の新本社・研究所で行いました。新会社の社名はペプチスター株式会社です。

テレビ会社を含む30名を上回るマスコミのみなさまに参加していただきました。100名近い人員が収容できる当社のホールの“こけらおとし”となりました。

まずペプチスターの社長に就任予定の当社の窪田から「特殊ペプチドCMO創立について」と題して約15分間、全体的な話をさせていただきました。次に塩野義製薬の手代木社長から「ペプチスター株式会社設立におけるシオノギの役割」と題してのプレゼン、3番目に積水化学工業の取締役 専務執行役員で高機能プラスチックスカンパニープレジデントの加藤氏が「積水化学における特殊ペプチド原薬事業の位置づけ」と題してのプレゼンを行いました。

3社の新会社における役割を簡単に紹介しましょう。

当社の役割は、これまで蓄積してきた特殊ペプチドの合成ノウハウを提供しつつ、技術開発及び技術融合の分野でリーダーシップをとることです。

塩野義製薬の役割は、薬事法、GMP及びその他法令に則った医薬品の製造に関する知見を有する製薬企業としてそのノウハウを提供することで、高品質な医薬品の製造に貢献することです。また、革新的ペプチド医薬品を創製し、特殊ペプチドの価値を世界的に証明する役割も担っています。

手代木社長はプレゼンの中で、当社と実施中の4つのターゲットに対する共同研究に関して、低分子アプローチで攻略が困難だった創薬ターゲットについて、短期間で高活性ペプチドの取得に成功したプロジェクトが出ていること、塩野義製薬の研究員が「これはすごい」と評価しているという話を紹介していただきました。

積水化学工業の役割は、生産性の高いペプチド合成技術での貢献です。積水メディカルで開発中のペプチド合成法「STag(エスタグ)法」は、現在のペプチド合成法の主流である固相合成法と異なり、溶解性の高いタグを使用した独自の液相合成法です。このSTag法を新会社の中でさらに発展させて、固相合成法と比べて安価、高純度、高品質なペプチド合成法を確立し、生産性の高いペプチド原薬の製造に貢献することを目指します。

3社のプレゼンの後に質疑応答の時間を取りましたが、質問が途切れず入り、予定時間を大きく超えることになりました。マスコミのみなさまが関心を持っていただけた結果だと思います。

東京では当日の夜23時からテレビ東京のワールドビジネスサテライトで会見の状況が
約50秒枠で放送されました。また参加したマスコミの多くが本日8日に写真付きの記事にして紹介してくれました。

長くなりましたので、ペプチスターの意義については改めて紹介させていただきます。

2017年8月2日水曜日

キングスカイフロント

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社が本社・研究所を構えた川崎市殿町のキングスカイフロントで本日、主に小学生を対象に、科学の楽しさを身近に実体験する「夏の科学イベント2017」が開催されました。当社は出展しなかったのですが、数名がスタッフとして参加しました。

13時スタートで、整理券の配布は11時50分からでしたが、親子連れの長蛇の列となっていました。主催者に聞いたところ、本日の参加者は約1,200名、昨年が約900名なので大幅に増えたということです。

私はジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)株式会社の広報の方にお願いして、小学生高学年から中学生までを対象にした「東京サイエンスセンター3周年記念 ブラック・ジャック セミナー」を最初だけ見学させていただきました。J&J社の東京サイエンスセンターは、普段は現役の医師が内視鏡手術等のトレーニングを行っている施設です。白衣(黄色ですが)にキャップ、マスク、手袋を身に着けてドクター気分となった子供たちが目を輝かせて複数の手術体験を行いました。

J&J社の社会貢献活動はさすがですね。ちなみに米国ジョンソン・エンド・ジョンソンはヘルスケア会社としては世界で最も時価総額(企業価値と言っていいと思います)が高い会社で、なんと約40兆円となっています。日本企業のトップが武田薬品工業で約4兆6,000億円ですから評価の高さはケタ違いです。当社は今年の4月にこの米国ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬部門である米国ヤンセンファーマ社との間で、創薬共同研究開発契約を締結しています。

来年は我々も出展し、社会貢献活動を行いたいと考えています。